男同士の厚すぎる友情!ブロマンスの世界へようこそ(再掲)

今回のテーマは男同士の熱すぎる友情、『ブロマンス』について。

海外ではここ数年で辞書に載るほど一般に定着してきた言葉ですが、

日本では一部の腐った女子向けのワードのように思われているのが現状です。

しかし、歴史を紐解いてみれば『ブロマンス』は遥か昔の時代から存在し、

小説や映画、舞台など様々なジャンルで必要不可欠な要素となっています。

 

■ブロマンスってそもそも何?

 

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Bromanceという単語はbroもしくはbrother(兄弟)とromance(ロマンス)のかばん語である。

スケートボード雑誌ビッグ・ブラザー (雑誌)編集者のデイヴ・カーニーによって、

四六時中一緒にスケートボードをしているような関係という意味に限定して使うために造られた言葉。

 

上記にあるように、ブロマンスとは恋愛感情ではなく家族愛に近いものであるとされています。

若い男性がよく言う「彼女といるより男友達といる方が楽」な距離感といえば分かりやすいでしょうか。

決して肉体的な欲求が伴うことのないプラトニックな関係性。それがブロマンスです。

 

具体的な例を挙げるならば、お笑いコンビ『チュートリアル』の学生時代の関係が、

まさにブロマンス的だといえるのではないかと思います。

 

高校3年生から浪人時代、大学1年の頃までは、喫茶店で5~6時間喋ったあとまた喋りたくなり、

どちらからともなく電話をし、3時間喋ったあとまた会いたくなり、ドライブに出かけるくらい仲がよかった。

                                                      

お互いの彼女に「徳井君(福田君)と私、どっちが大事なの?」と訊かれるほど仲が良かったという2人。

それぞれパートナーは存在していたにも関わらず、それ以上の繋がりを感じさせる親密な関係だったとのこと。

これぞまさにブロマンス!というお手本のようなエピソードですね。

 

■代表的なブロマンス作品

 

ここまでの説明ではちょっとピンとこないな、という方には実際に作品を見て頂くのが1番だと思います。

ブロマンスにもいくつかのパターンがありますが、分かりやすいのは『相棒(バディ)』ではないでしょうか。

シャーロック・ホームズに代表されるように、この手のジャンルは昔から良質なブロマンスの宝庫でした。

特に海外ドラマでは、製作側もブロマンスの需要について把握している場合が多く、

そういった台詞やシーンをあえて盛り込んでくる場合もあります。

 

『SHERLOCK』

 

SHERLOCK

 

シャーロック・ホームズシリーズの現代版ドラマ。イギリスBBC製作。

天才的な推理力を持つものの癖のある性格で人付き合いが苦手な探偵・シャーロックと、

常識人で周りからの信頼も厚い助手・ジョンの凸凹コンビが難事件を鮮やかに解決していく。

他人なんてどうでもいい、頭の悪い奴は嫌いだ、と公言して憚らないシャーロックが、

ジョンに対してだけは気遣いや思いやり(ほぼ失敗する)を見せることがある。

シーズン3のジョンの結婚式では、シャーロックが熱烈な友人代表のスピーチを披露。

参列者がその熱い友情に涙するという心温まるシーンもあった。

 

『Hawaii Five-0』

 

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ハワイ州内の島々で起こる凶悪犯罪に立ち向かう、知事直属の特別捜査班の活躍を描く。アメリカCBS製作。

主人公のマクギャレットと相棒の刑事・ダニーの関係が典型的なブロマンスと言える。

お互いに変なあだ名で呼び合う、仕事中も休日も常に一緒に過ごす、私生活にまで口を出す、

喧嘩していると周りから夫婦喧嘩だと揶揄される、など全ての要素を兼ね備えている最強のコンビ。

製作スタッフも2人の関係についてかなりブロマンスを意識しているらしく、

ファンとのツイートで『bromance』という言葉を頻繁に使っている。

 

『WHITE COLLAR』

 

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天才詐欺師・ニールとFBI捜査官・ピーターが協力して知的犯罪を解決していく。USAネットワーク製作。

犯罪者と捜査官という相容れない存在でありながら、お互いを強く信頼し命を預けることすら厭わない2人。

シーズン1のラストで恋人と海外に逃亡しようとするニールが、「あんたに会うと決心が鈍る」という理由で、

ピーターにだけはさよならを言えないという少女マンガのようなシーンがある。

 

■ブロマンスがマーケティングに与える影響と今後の予想

 

ブロマンスを好むのは、何も一部の腐った女子たちだけではありません。

男同士の固い絆や信頼関係は視聴者の共感を呼び、作品の価値を高める重要な要素になりつつあります。

その証拠に、海外ドラマでは製作スタッフまでがブロマンスの存在を意識し、

視聴者を取り込むために台詞やシーンをあえて盛り込むこともあるといいます。

 

日本ではBLとブロマンスの違いについて未だ曖昧で誤った認識も多いですが、

今後はその違いがより分かりやすく、一般的に知られていくのではないでしょうか。

ブロマンスって要するにBLでしょ?と拒否反応を示している人が周りにいたら、

「いやいや、似てるけど全く違うものだから!似てるけど。」と教えてあげて下さい。

そして是非一緒に、今回紹介した作品をおススメして頂きたいと思います。

もしかすると、新しい世界の扉が開けるかもしれません。